第3章 i3 window managerを使ってみよう

76回生 maguro

3.1 挨拶

こんにちは。76回生(高2)のmaguroです。普段は競技プログラミングとCTFをしています。気が付いたらもう高校生活の終わりが近づいており、焦りが出始めてきました。

今回は、前に使って思ったよりも良かったi3 window managerを紹介したいと思います。

3.2 i3 window managerってなに?

i3 window manager(i3wm)とは、Linux上で動くタイル型ウィンドウマネージャです。多分ほとんどの人が分かっていないと思うので、とりあえずデスクトップ画面を見せたいと思います。これはManjaro i3wm Editionです。*1

[*1] 筆者はWindowsをメインで使っているので、これは仮想環境で撮影しています。

デスクトップ画面

図3.1: デスクトップ画面

これらの画面をキーボードだけで表示することができます。慣れるとマウスで操作するよりも早くできます。

ここからちょっと詳しく説明します。分からなかったら飛ばしてください。

Linuxとは
OS(コンピュータを動かす土台になるソフトウェア)の一種で、UbuntuやArch Linuxなどのディストリビューション(OSのコアになるカーネルと、その他もろもろのソフトを含めて配布する形態)の総称です。
タイル型ウィンドウマネージャとは
ウィンドウマネージャ(ウィンドウの配置や見た目を管理するプログラム)の一種です。

ウィンドウマネージャはウィンドウの描画や更新の手法で大きく

  • コンポジット型ウィンドウマネージャ
  • スタック型ウィンドウマネージャ
  • タイル型ウィンドウマネージャ

の3種類に分けられます。タイル型ウィンドウマネージャは他の2つのウィンドウマネージャと違い、ウィンドウ同士が重ならないように分割して表示します。

「ウィンドウ同士が重ならない」以外に、i3wmの特徴として

  • 基本的にキーボード操作のみでウィンドウを配置できる*2
  • タブ・スタック化機能(Webブラウザーのタブのような感じでソフトを整理する)
  • ワークスペース(仮想デスクトップ)機能

が挙げられます。

[*2] 一応WindowsやMacのようにマウスで動かせて、他のものと重なるウィンドウも作ることができます。

本記事では具体的な入手手順は紹介しません。i3wmと検索すると様々な方法が出てくると思います。

3.3 起動から基本操作まで

まずは先ほどデスクトップ画面を見せた、i3wmが使えるLinuxであるManjaro i3wm Editionを起動して、ターミナル(コマンドが打ち込めるところ)を開けるようにしましょう。ここでi3wmでよく使うmodキーについて説明します。

modキーとは

modキーはi3wmで使用する特別なキーで、デフォルトだとWinキー(Macでいうコマンドキー)やAltキーが割り当てられています。

このキーと他のキーを一緒に押すことで、様々なことを行うことができます。例えば、

  • $mod + enterでターミナルを開く
  • $mod + shift + qでウィンドウを閉じる

などです。

とりあえず$mod + enterでターミナルを開きます。

ターミナル(1画面)

図3.2: ターミナル(1画面)

もう一回$mod + enterを押すと、画面が分割されてターミナルが2つ表示されます。

ターミナル(2画面)

図3.3: ターミナル(2画面)

下のショートカットでフォーカスするウィンドウを変えられます。

  • $mod + jで左
  • $mod + kで上
  • $mod + lで下
  • $mod + ;で右

また、ウィンドウを追加するときにどこに追加するかは下のショートカットで指定できます。

  • $mod + hで右方向
  • $mod + vで下方向

例えば、画面に何もソフトが無い状態から$mod + Enter → $mod + Enter → $mod + v → $mod + Enterと入力すると下の画面のようになります。

ターミナル(3画面)

図3.4: ターミナル(3画面)

そして、フォーカスしているウィンドウを閉じるためには、$mod + shift + qと押します。

3.4 ワークスペースの作成・切り替え

i3wmの特徴にあるワークスペース(仮想デスクトップ)について説明します。

Windows 10の場合、

  • win + ctrl + dで仮想デスクトップを作成
  • win + ctrl + (→ or ←)で仮想デスクトップの切り替え
  • win + ctrl + F4で仮想デスクトップの削除

ですが、i3wmは

  • $mod + 数字キーで数字番号のワークスペースに切り替える
  • $mod + shift + 数字キーでアクティブなウィンドウを数字番号のワークスペースに移動する

とかなりシンプルです。わざわざ矢印キーで操作する必要がありません。

3.5 ソフトのインストール

ソフトのインストールは主に

  • コマンドでインストール
  • pacman-managerというソフトを使ってインストール

の2つの方法があります。今回はコマンドでインストールします。

コマンドでインストールするには、Manjaro i3wm Editionではpacmanというパッケージマネージャを使用します。基本的な使い方は、sudo pacman -S インストールしたいパッケージ名と打つだけです。例えば、Chromium(Chromeのなにか)をインストールすると、以下のようになります。

Chromiumのインストール

図3.5: Chromiumのインストール

パッケージは日を追うごとにどんどん新しくなるので、定期的にアップデートをしないといけません。全てのパッケージのアップデートはsudo pacman -Syuで行うことができます。

3.6 タスクバーの見た目の設定

画面の下にあるタスクバーはi3barと呼ばれ、これらに書かれている内容はデフォルトではi3statusというパッケージによって生成されています。

しかし、i3statusよりも設定が豊富なパッケージに

  • conky
  • i3blocks
  • isphtatus

のようなものがあります。詳しい手順は省きますが、これらをインストールして設定を変えると、タスクバーを上に持ってきたり、タスクバーに書かれた内容を変えることができます。

3.7 おわりに

いかがだったでしょうか。仮想環境が壊れてしまい、最後の方はスクリーンショットを載せることができず申し訳ないです。1人でも多くi3wmの魅力を知っていただければ幸いです。