第10章 未踏ジュニアとLifeWatcher

73回生 2lu3

10.1 自己紹介

こんにちは。部長の2lu3です。ここでは、未踏ジュニアという何かを成し遂げたい人のための支援事業の紹介をし、僕が未踏ジュニアでやったことを説明します。サンプルをすでに読まれた方は、用語説明, 未踏ジュニアの流れから読み始めてください。

10.2 未踏ジュニアとはなにか

未踏ジュニアというのは、「17才以下の小中高校生が、新しいモノを開発するサポートをする事業」です。未踏ジュニアに採択されたプロジェクトのメンバーを「クリエイター」と呼びます。プロジェクトのメンバーは1人でも構わないですし、複数人でも構いません。また、プロジェクトごとにPM(プロジェクトマネージャー)と呼ばれる専門家の方がつきます。PMの方は、プロジェクトの進捗の管理と、購入物品の必要性の判断をします。

サポートの内容

サポートの内容は、主に3つあります。

  1. 開発場所の援助
  2. 開発資金の援助
  3. 専門家の相談

まず、開発場所の援助は、家や学校でできないような作業をする場合、場所を提供してくださります。僕が参加した2018年度のクリエイターの一人にも、ガレージを借りて開発をしていた方がいます。

次に、開発資金の援助は、最大50万円まで開発するための物品を購入することができます。これは、資金の問題で自分のアイデアを形にすることができない人にとっては、まさに朗報です。ですが、もちろん制約もあります。あたりまえの事ですが、購入する物品がなぜ必要なのかをPMの方に説明し、納得させなければなりません。また、10万円以上の物品は、未踏ジュニアが所有権をもちます。

最後に、専門家の相談です。個人的に、未踏ジュニアの一番のメリットはこれだと思います。未踏ジュニアのPMの方々は、世界の最先端の方ばかりで、人脈も非常に幅広いです。「どれだけニッチな分野でも、PMの友人の友人がその分野の専門家だ」と言われるくらいなので、何を質問しても最高峰のプロフェッショナルが答えを返してくださいます。

10.3 用語説明

クリエイター

応募して採択された人のことです。言い換えると、未踏ジュニア生です。最終成果報告会で、修了証を渡されます。

プロジェクト

応募した企画のことです。最大4人がチームとして1つのプロジェクトを応募することができます。もちろん、1人で1つのプロジェクトを応募しても構いません。あとからプロジェクトにメンバーを追加することはできないので、応募の段階でメンバーを何人にするかをよく考えてください。

PM

未踏ジュニアのPMの方々は、方針が全く違います。そのため、ここに書いたことは、ほとんどのPMがされる共通の部分でしかありません

プロジェクトマネージャーの略称で、各プロジェクトの進捗とお財布の管理をします。1人のPMが1つのプロジェクトを管理することもあれば、複数のプロジェクトのPMを務めることもあります。

まず、進捗の管理ですが、プロジェクトがどれくらい進んでいるかの管理をします。また、困っているところを相談されたら、その問題を解決するためにアドバイスするか、アドバイスをできる方を紹介するかもしれません。

次に、お財布の管理ですが、開発資金で購入する物品が妥当かどうかを判断します。そのため、何かを購入したいときはPMを説得しなければなりません。例えば、なぜその物品が必要なのか、その物品である根拠はなにか、などを聞かれます。

10.4 未踏ジュニアの流れ

ここでは、僕自身の経験をこれから応募しようと思っている人のためにアドバイスを含めながら書きました。

応募(4月)

応募は、書類選考と面接がありました。書類選考で提出したアイデアに、PMが興味を持てば、面接をします。

書類選考

まず、自分のアイデアをPMに伝える必要があります。どんなによいアイデアを持っていても、それを伝えることができなければ意味がありません。

応募のときに気をつけることは、自分のアイデアのコアの部分を明確にすることです。あれもやってこれもやって、だと何をしたいのかが正確に伝わりません。

なぜこのアイデアが必要なのか、このアイデアの骨子はなにか、を簡潔にまとめて、それを見ながら応募用紙に記入すると良いでしょう。

面接

面接では、PMが書類を見て疑問に思ったことを聞きます。面接で、自分のアイデアの欠陥を聞かれたとしても、正直に伝えたほうが良いと思います(このあたりはPMにより違います)。なぜなら、選考の時点で完成されたアイデアなど多くないからです。むしろ、欠陥を見つけて、それをどうにかする能力が開発には必要になります。

ブースト合宿(6月)

ブースト合宿では、各プロジェクトが自分たちのアイデアについてプレゼンテーションをして、PMや他のクリエイターからアドバイスをもらいます。

開発期間(前半)

メインの開発期間です。中間合宿にむけて、最低限自分のアイデアのプロトタイプはできていたほうがよいです。また、ブースト合宿での様々なアドバイスを活かしてアイデアをピボット(方向転換)するとよいです。

中間合宿(8月)

中間合宿では、PMとクリエイター全員が同じ場所に泊まります。そのため、夜遅くまでPMとクリエイターが交流をしていました。

ブースト合宿と同じように、各プロジェクトの現在の進捗確認と、ブースト合宿からの変更点などをプレゼンテーションします。

開発期間(後半)

自分のアイデアを形にして、最終成果報告会に向けて準備をします。

最終成果報告会(10月)

最終成果報告会では、それぞれのプロジェクトの成果を報告します。ここでは、様々な会社の偉い方やメディアの方がいらっしゃいます。また、プレゼンテーションの様子も撮影されます。

10.5 まとめ

未踏ジュニアは、何かを作りたい学生にとっては、非常に恵まれた環境であるといえます。ぜひ、未踏ジュニアに応募してみてください。